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第43回AJAC展によせて

 第43回AJAC展を東京美術館で開催しています。AJACは42年前福沢一郎・原爆の図作家丸木夫妻・滝口修造(市民と美術をつなぐ会)の賛助のもとに、画家組合として発足し1999年にAJACとして誕生しました。
 AJAC会員は、民主的で革新的な歩みを誇りに制作発表を続けて43回展を迎えることができました。 表現課題はひとり一人ちがいますが、私たちを取り巻く状況にたちむかい、その生きざまを表現しようとしています。
 また、海外作家出品コーナーを設定しています。39回展から41回記念展の3年間は、デンマークの作家作品を展示できました。 この成果は、担当会員の鶴田勉の努力によるものです。42回展から43回展の海外作家作品の展示は、多国籍の美術家グループ Open Art の作家達です。 担当会員は清水研介です。作家達をまとめているのはイタリアの Abba さんです。
 わたしたちは、AJACの発足の初心を忘れないで、自己表現を益々独創的で豊かなものへと高めていきます。 43回展での特別陳列作家は、深谷 滉です。そして企画展示作家は、竹之内 みどりです。
 43回展も、関係機関、ご観覧者、多くの方々のご支援ご協力により成功することができました。 深く感謝申し上げます。

AJAC代表 深谷 滉


第43回AJAC展 ―美術の可能性を求めて―

 すべての芸術は国籍、人種、性別、年齢、宗教の違いを超越して存在するもので、これはAJACが掲げる理念と合致している。 かつて「画家組合」と称していた頃、“組合”という語の印象により本展は既存の美術団体やグループとはまた違った、作家の強い結束力や意思の力を有しているのであろうと思っていた。 これ等の力の存在が根底にある事で、標榜する理念を支え今日までこれを維持し、発信し続けてきたのであろう。
 美術家は如何なる考えにより、何をどの様に表現しようとそれは各人に任されており、その意味で作家は製作に関して自由である。 しかし、その自由は制限の無い勝手な行為ではなく、作品に対しては責任を負わなければならない。 この責任とは換言すれば美術家の良心に他ならない。作品を制作発表する者は、自身の持つ力を常に最大限尽くしてこれに当る。 当然のことだがこれが創造者たるべき者の良心であろう。
 また、現代に生きる人間として、美術家の視点を失うことなく時代を記さなくてはならない。 時には優しく世上を見詰め、時には鋭く社会を批判することも必要である。 作品制作に際して、創造者の良心と時代への視線を忘れてはならない。
 AJACに集う美術家達の個性的で魅力にあふれた作品が、多くの人に鑑賞され、彼等の心に深く刻まれるのを願って止まない。 第43回展に当り出品者には、大きな志と豊かな想像力によって美術の可能性を更に追及してもらう様期待している。


美術評論家 清水 康友


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